Contents
老人とは
老人の一人暮らしはいつまでか?何歳まで大丈夫?
老人の人口の推移をまず把握しよう
老人の一人暮らしの人数
老人の一人暮らしの平均年齢
健康寿命もひとつのポイント
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間の事をいいます。2021年のもので、男性が72.68歳、女性が75.38歳となっています。
あくまでここでは、年齢で区切られていますが、
高齢者の方はいつお体の状態が変化してもおかしくありません。例えば転倒してしまい急に一人で暮らしていけなくなることも少なくないので、そんな時にバタバタしないために、それ以前に少しシュミレーションができるとよいと思います。
高齢者の一人暮らしで自立生活の指標となるのは
介護の現場でよく聞く言葉にADL(日常生活動作)とQOL(生活の質)という事があります。
ADLとは
日常生活を送るために最低限必要な動作の事をいいます。食事、着替え、排泄、入浴、起き上がりや立ち上がりなどの姿勢を変える動作、身だしなみを整える動作、ベットから椅子への移動などの動作の事をいいます。
入浴だけであれば、デイサービスでのみ入浴する方も大勢いますが、その他の動作ができなくなってくると、一人暮らしに赤信号がでます。
QOLとは
生活の質と書きましたが、ただ長生きするだけでなく、より良く、その人らしく充実した生活が遅れているかという事になります。QOLは「身体的・精神的な健康状態である生命の質」「生活機能である生活の質」「社会性である人生の質」の3つの要素からなります。身体的という事が入ってくるので、ADLもこの中に含まれてきます。
QOLを下げる要因
この生活の質を下げる要因となることに以下のものがあります。
- 食生活の乱れ(食事、栄養をあまりとれない)
- 活動量・運動量の低下
- 過度の疲労やストレス
- 慢性の痛み
- 貧困
- 心身の老いや衰え(フレイユ)
老人の一人暮らし、QOLが下がってきた時は、要注意です。
老人の一人暮らしでの問題点や不安な点
では、高齢者の一人暮らしがいつまで続けられるかの判断の際出てくる、問題点や不安点を実際の現場でお聞きする内容を踏まえて書いていきます。いつまで親御さんの一人暮らしが可能か悩まれている人は以下の情報を親御さんの生活の中から確認し、判断材料にして頂ければと思います。
健康面の不安
まずは、健康面での不安が一番に出てくるのではないでしょうか?高齢者の方はだいたい月1回程度は病院へ行っている場合が多いですが、突発的な体調不良に自分で対処できるか不安という声が、ご本人たちからだけでなく、ご家族から多い意見です。そんか方には見守りグッズがおすすめです!
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離れた親が心配。高・低心拍で連絡くる高齢者見守りグッズがあった
突発的な体調不良でない場合、私がお伺いしている方だと、腰や膝など体の痛み、四肢のしびれ・麻痺などの症状ががひどくなってしまい、お一人での生活が厳しく、なんらかの手助け・サービスが必要になっていくという方は多く見られます。
認知機能の低下
お体が思うように動かなくなるという話と同じぐらい多いご家族からの相談が認知機能の低下。
以前はできていた電気器具などの操作に戸惑っている。お風呂の空焚きがあった。水が出しっぱなしになっていたなど様々な事がありますが、まずそんな場合はそれが一回きりなのか、度々起こっているのかを把握しましょう。度々起こってくると、認知機能の低下を疑ってもよいかもしれません。
電話等で、話している内容のつじつまが合わないなど確認できる事もあるかもしれませんが、生活環境の変化、例えば、部屋が散らかっていることが多くなったなど、以前と変わった点がないかなども確認する必要がでてくるかもしれません。
お風呂やトイレの問題
身体の痛みや体を動かすのが辛いなどの理由からお風呂に入れなくなってくる方もいらっしゃいます。衛生面を考えた場合でも何週間もお風呂に入らないことをほおっておくわけにはいきません。特にお風呂は足を上げるのが難しくなるなど、体に痛みがある方は、入浴に関するサポートがまず必要になる場合もすくなくありません。
また、排泄面でも、頻繁に服を汚すなど失敗することが増えていないかなど注意していただいた方がよいかと思います。
食事・買い物
食事や買い物も生活していく上では大切です。食事は作れなくても、買い物に出かけられれば今は出来合いのものやすぐに食べられるものが多く売っていますので、まださほど問題にはなりません。ですが、買い物に出られなくなった場合、食品や生活用品を買うこともできなくなってきます。
その際は、買い物してもらうサービスや宅配サービスなどなんらかのサポートが必要かと思います。
お金の管理はできているか
介護認定の調査の際にもお金の管理・薬の管理はご自身ででできているか確認されるそうです。買い物は自分でできているという方でも、ご銭がたくさん溜まっていて、お札ばかりで払っているという方もいらっしゃいます。お金の事は親子でも聞きにくい部分はあるかもしれませんが、一緒に買い物に行って、お金を払う様子を見てみたりしてもよいかもしれません。
また認知症の方でよく聞くのがお金がなくなったというお話。そんな話が頻繁に出て、事実と違う場合は認知機能の低下も一緒に疑わなくてはいけないかもしれません。
介護施設も早めに調べておこう!
要介護者向けの施設
〈公的施設〉 | 〈民間施設〉 |
特別養護老人ホーム(特養) | 介護付き有料老人ホーム |
介護老人保健施設(老健) | 住宅型有料老人ホーム |
介護療養型医療施設(2024年廃止予定) | |
介護医療院 |
公的施設は、介護度の高い方や低所得者支援に重点があり、費用が安い、そのため入居待ちがながくなりやすいと言われています。更に介護認定を受けていても、要支援では使えない施設ばかりです。また、介護療養型医療施設は急性の疾患から回復期にある寝たきりで医療が必要な方を受け入れる医療施設です。なので、親御さんの最後の施設とはならないことが多いようです。
民間施設でも要支援の方が入れるかはその施設によって違うので、確認が必要になります。民間施設の方が、公的施設よりサービスが充実しているところが多いようです。
要介護者向け施設の特徴
- 特別養護老人ホーム
後で詳しく説明しますが、終身利用も可能で、長く介護を受けながら生活できる施設です。 - 介護老人保健施設
介護を受けながらも在宅復帰を目指しながらリハビリをする施設。 - 介護療養型医療施設(2024年廃止予定)
病状は安定期だが医療が必要な介護1以上の人が入れる長期療養型施設 - 介護医療院
介護が必要な方の長期療養と生活支援を目的とした施設
介護療養型医療施設は医療保険の対象となる療養型病院との違いがなくなったとのことから廃止が決定しています。
民間施設の介護付きと住宅型の違いは、介護サービスが住宅型は他業者と提携となる事です。なので、住宅型有料老人ホームは要介護者向けなのですが、自立の方や介護度の低い方の入居が多いようです。
自立した方向けの施設
自立した方とは、介護サービスを必要としない方と思って頂くとよいかと思います。
【公的施設】 | 【民間施設】 |
ケアハウス(軽費老人ホーム) | サービス付き高齢者向け住宅 |
シニア向け分譲住宅 | |
健康型有料老人ホーム |
こちらも公的な方は値段が安く、民間施設の方が値段は高くなりますが、サービスは充実している傾向にあります。介護サービスを必要としない人向けとお話ししましたが、介護認定を受けていないと入れない施設もありますので、次に詳しく書いていきます。
自立した方向けの施設の特徴
- ケアハウス
自宅での生活が困難な人向け、要支援1以上の方が入れる施設 - サービス付き高齢者向け住宅
高齢者向けの自由度が高い生活ができながら、安否確認や生活相談ができる賃貸住宅 - シニア向け分譲住宅
バリアフリー設計など高齢者が暮らしやすい住宅 - 健康型有料老人ホーム
自立した生活を送れる、本格的介護が必要ない高齢者が対象の施設
終身利用が可能な施設は限られる
終身利用、いわゆる終の棲家が可能な施設は、介護付き有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護医療院、ケアハウスになります。これ以外の施設に入居した場合は途中で退去しなけらばならないケースも出てきますので、確認しておくとよいでしょう。最初は自立型の施設に入居し、介護が必要になってきたら、終身利用の可能な施設へといった感じもあります。
ご自宅で介護生活を送っていたけど、限界かなと感じている方は、最初から終身利用が可能な施設へ入所しておいた方がよいかもしれません。